台車に載せられた緑、黄、赤、白、紺の五色の鉾旗が出される。この鉾旗は江戸時代初期に豪華な鉾や錺(かざり)がつけられた7本の御旗鉾(おはたぼこ)が出されていたことに因んでいる。御旗鉾は京都では剣鉾(けんぼこ)と称され、各地域の祭礼に出されている。京都では鉾差(ほこさ)しと呼ばれる役割の人物がひとりで差すようすが祭礼の花形となっている。日光東照宮の祭礼でも創始期から「祭鉾」と呼ばれる剣鉾が8本出されていたことから、おなじ東照宮祭礼である和歌祭でも江戸時代初期には鉾差しによってひとりで差す剣鉾が7本出されていた。